2014年12月31日水曜日

Capitalism Labをやってみた その3

ゲームの紹介はこれくらいにして、今度は全体的な印象を述べてみたいと思います。

ゲームそのものはCapitalism2とほとんど同じ手法で会社を成長させるだけ、というと身も蓋もないのですが、実際そんなところです。

このゲームは自分で目標を定めて自分で達成するというだけのゲームですから、別に多角化する必要もないのですが、今作のAIはものすごい勢いで多角化するので、気づいたら自社の株価は$1000なのにトップはその10倍、なんてこともざらで、ちょっと悔しい。
多角化が早いということは、製品のブランド力もライバル企業のほうが高い製品が多くなるし、ブランド忠誠心、消費者は気に入ったブランドだけを買い続ける、という概念もあって、ゲーム後半になるほど新規参入が難しい製品が増えてくるというのもやりがいがあります。
また、資産も現金もライバル企業のほうが上の場合が多いため、価格競争に引きづりこんで市場から追い払おうという手もかなり困難じゃないかと思います。私の場合、最低価格で数年売り続けても敵AIは撤退しませんでした。

初手でよくある方法で高品質な材木がある場合はベッドを製造・販売する方法は有名ですが、今作では天然資源の採掘・伐採所を設置するための地価がべらぼうに高いため、資源の配置具合によっては初期資金では設置できない場合があります。

また、一度伐採所を設けてベッドを盛大に製造・販売しても、資源がすぐ枯渇してしまうため、第二、第三の伐採所を開設する必要がありますが、ここでも地価が高いところに資源が湧いてしまった場合、最初の伐採所が枯渇するまでのベッドの売り上げをそのまま次の伐採所の開設費用に回さざるを得ない、なんて自転車操業のような状態に陥る可能性もあります。
これでは研究もへったくれもなく、会社の将来はないので、ベッドが売れているうちに別製品を開発しておかなければ、やがて苦境に陥るでしょう。
また、木材だけでできる小売り製品にティッシュペーパーが追加されていて、原材料の品質影響度は40%だし生活必需性も60%あるし、、、とおもって試したところ、こちらはあまりに単価が安すぎて、初手ではかなり厳しい印象でした。

また、枯渇しない資源として農作物があります。
今作でも初手に賃金のもっとも低い都市に牛の放牧場を作って、本社の人事部門で一括訓練を行って品質をある程度にあげて革製財布を製造・販売するという手は有効です。
特に枯渇しないでずっと製造し続けてくれるという農業のもっとも有利な点はかなり魅力的ですので、初手に検討したい方法の一つです。
ただし、競合AIが革製品が得意なAIだったりすると、都市数によってはこれも苦しくなる場合があるので、これも「必ずうまくいく」というわけではなくなりました。
しかし、うまくいった場合は続いて綿花を生産して布を作り、皮ジャンと革製バッグを販売して、さらにリネンを加えて革製ブリーフケース、木材が調達できればソファ、と、皮革を軸にして事業を展開しやすいため、今作でも定番の初手と言っていいんじゃないかと思います。

また、農場を2枚用意して、冷凍牛肉、冷凍羊肉、冷凍豚肉、冷凍鶏肉、鶏卵を一気に販売するという手も、割とうまくいきます。
最序盤の低品質でも生活必需性が高いので多少売れますし、ライバルが全種をいきなり扱っているわけでもないので、コンビニを建設しまくって、一気にシェアの独占を図ります。
この場合はとにかく農場とコンビニとの距離を短く、かつコンビニは人通りが多い立地を選んで一気に立ててしまうとより一層効果的です。近ければ近いほど輸送費が下がるため、単価の安い家畜製品の場合は特に輸送費の分でライバルとの価格競争に有利に立つことができます。
但し、こちらの場合はこの後アルミを手に入れて缶スープ、くらいしか広がりがないのがやや難点です(鶏卵はケーキの材料にはなりますが、小麦粉、ココアが必要なのでかなり後になるでしょう)。もっとも、缶スープも当たればかなり数が出る商品なので、このラインで行くなら缶スープは早めに供給を開始して独占を目指したいところです。

ほぼ必ずすうまくいくのは、爆発力はないもののオフィスビルやアパートです。ゲーム開始直後に景気のいい都市の地価が高い場所にオフィスビルを数軒立てておけば、すぐに入居者が集まってあっという間に黒字になります。
但し、これも数が勝負なので、初期資金によっては回収まで時間がかかって製造・販売に乗り出すころには一歩も二歩も遅れてしまう、なんてリスクもあります。

また、港から買って転売するというのも最序盤では割と儲かります。
但し、オプションにもよりますが、港の商品は入れ替わりが激しいため、その管理のわずらわしさから私はほとんど利用しません。ただ、今作では港の数をゼロにできないため、必ず存在してしまう仕入先なので、どうせライバルに利用されてしまうならこちらも利用したほうがいいのかもしれません。
また、将来的に製造したい製品が港にあった場合、先に転売してブランド力を高めておく、といった場合にも使えるかもしれません。

以上、ある程度初手の戦略をご紹介しましたが、これはCapitalism2とほとんど変わりがないということをお話ししたのと同義になってしまいました。
まだまだ私の思いにもよらない初手戦略はあるはずなので、ぜひ開拓してみてください。

経営の安定化に成功した中盤以降も、これまたCapitalism2と同じ展開です。
いずれ同じ商品を作り続けていても飽和するだけなので新しい商品に手を伸ばし、研究開発をし、多角化していくことになりますが、ここでブランド戦略を誤っているとブランド価値がみるみる落ちてしまう罠が控えているのも前作同様です。
何でもかんでも作るならユニークブランドに、一点集中なら企業ブランドに、あるカテゴリだけで勝負するならレンジブランドに、という広告戦略だけはゲーム開始時にしっかりと決定しておかないとえらい目にあいます。

このころになると、ライバル企業は自社で集落を作り始めていると思います。Capitalism2にない目新しい点の一つなので、自社でも片手間に都市を育ててみてもいいでしょう。

また、今作ではAIもメディア企業の買収や建設を、それもかなり早い段階で行うため、気づいたら他社に莫大な広告宣伝費を支払っているということになりがちです。
資金に余裕ができたら、なるべく早くメディア企業の買収、全部買われてしまっていたら建設を行うべきです。番組制作費をけちらなければ、最終的には莫大な利益を生み出す優良子会社として育ってくれます。
但し、新規設立の場合、広告シェアを伸ばすにはちょっと時間がかかるため、他社と争っている製品や、まだ自社のブランド価値がない新製品の広告の出稿は広告シェアをある程度伸ばすまで我慢したほうがいいでしょう。

前作では鉱物とプラスチックだけで医薬品やコスメや洗剤など、同じ原材料から多種の製品が作れるためにプレイヤーによっては愛用されていましたが、今作ではAIも大好きなようで、AIとすぐに競争になりがちな印象を受けました。この分野は多少製造レシピは変わったものの、基本的には前作同様作れるものが多いことには違いないので、もしこの分野に参入するならブランド価値が結構重視される製品が多いためできるだけ早いほうがいいでしょう。
但し、ここでも採掘場の地価がネックとなって、前作に比べればなかなか思うようにいかない、という点は面白さが増しています。

また、前作の儲けの手口に天然資源の独占というのがありましたが、今作では最後の資源がAI,プレイヤーの区別なく占有された瞬間、新たに資源がマップのどこかに出現するようになっているため、独占そのものは不可能となりました。
但し、暴利でなければ相当な勢いでAIは買ってくれます。反対に、AIは今作の資源の採掘場がべらぼうに高いことを知っているので、AI側が販売する資源は土地代を回収するため吹っかけてくる場合が多いのでやむを得ず他社から仕入れる場合には価格に要注意です。
逆に言うと、占有されなければ新たにわかないということなので、高品質な資源が湧いたらすぐに自社で抑えて内部取引に回し、低品質な資源はAIに販売してやるとよいでしょう。

結局、最序盤さえ乗り切ってしまえば行動の幅は一気に増えるので(特にアグレッシブなライバルがあらわれて価格競争を挑まれたりもしますが)、ライバル企業の敵対的買収なり価格戦争したりお金の許す範囲内で自分の定めた目標に向かって邁進する、か、好き勝手やって飽きたらやめるという、文字にするとまさに身も蓋もないことになります。

ただ、その間の最適な価格の設定や後発組としてシェアを他社から奪っていく楽しさとか、独占の喜びとか、後発組に価格競争を挑まれたりとか、バカみたいな額の利益を上げるとか、今までやってみたことがないような儲け方を探すとか、そういった言葉にすることが難しい点が、このゲームの醍醐味だと思っています。

これを愉しいと思うかどうかは、やはり・・・このジャンルのゲームの少なさから見ても、まあ、明らかなんでしょうね。残念ですが、こればかりはどうも。

ともあれ、この作品はこの手のゲーム好きにはもう間違いなくお勧めできます。
英語だからと言ってもせいぜいProfitとかCorporationsとかProductとか、そんな程度の単語さえわかりゃまるでプレイに支障はないので、是非やってみてください。

年末年始を台無しにできること請け合いです。

2014年12月30日火曜日

Capitalism Labのチュートリアルも日本語化が可能でした

以前にご紹介したtextフォルダ内にあるファイルだけでなく、チュートリアルも日本語化できることがわかりました。
ただし、こちらはtranslateディレクトリに翻訳済みファイルをおいてもゲーム内には反映されないため、tutorial内のファイルを直接書き換える必要があります。
チュートリアルの概要説明はtutorial/script内のテキストを変更することで、これも日本語化できました。
以下に具体例を示します。
tutorial/script/tutorial 1.txtを翻訳したところ、(訳は変ですが)問題なく日本語化されました。

チュートリアルの指示のほうはtutorial/tut01.txtをいくつか翻訳してみたところ、
ご覧のように文字化けもなく、重要単語の色付けもおかしくならずに日本語化が可能でした。

一つ面倒なのは、和文だと1行が1単語とみなされて、自動折り返しが利かないことです。
テキストは1行(改行文字まで)ですべて記述しなければならないため、ただ文章を記述しただけでは、テキストボックスの幅を超えてしまい、超えた部分が表示されません。

そのため、適当な長さでホワイトスペースを入れるなどして折り返させるなど、工夫する必要があります。なお、明示的に表示上改行させる文字は^のようです。
上記の例だと、何も考えずにとりあえずホワイトスペースを入れているので、1行当たりのテキスト長が一定せず、美しくありません。
翻訳の際にはそのあたりも考慮する必要がありました。

Capitalism Labをやってみた その2

承前ですが、Capitalism Labについて書かせていただこうと思います。

前回は一通り興味深い改善点を述べましたが、今回はその続編として、ゲームそのものの内容についてです。

なお、今回も私個人が興味を引いた点だけを述べています。その他の改善点や変更点が多々ある点について触れられていない点もあることはご留意ください。

・マルチプレイには対応していません

残念ながらできません。
もっとも、私はこういう趣味を持った友人がいないのでやったことがないのですが、ぜひ他人のプレイをリアルタイムに見てみたい、ということはできません。
マルチプレイそのものはCapitalism2では可能でしたが、一度Capitalism Labをやってしまうと、もうUIとしてもゲーム内容としても戻れないのは明らかで、ここは残念な点と指摘せざるを得ません。

・都市開発が可能になりました

都市開発、というとSimcityなどを思い浮かべると思いますが、さすがにそこまではできません。
しかし、ビルを建てて価値を高めて転売する、というだけではなく、たとえば、居住施設には、たとえば具体的な例でいうと、千葉県のユーカリが丘のようにデベロッパーが何もないところを市街化して、家賃で稼ぐもよし、十分に付加価値を高めた後に転売してもよし、ということが可能になりました(前述のとおり、ビル単体のプレイは前作でも可能でした。市街そのものを開発できる、という点が大きな相違です)。これは前作のようにビルの転売だけではない新しい要素です。そもそも何もない土地を購入しておき、地価を高めて販売する、ということが可能となり、土地成金プレイが可能となりました。これは実際にAIも効果的にやってきます。
ただし鉄道を引いたり交通網を整備したり、というところまでは、残念ながらできません。

住居施設に居住するには周りに自然があるか、職場まで近いか、買い物の利便性はどうか、消防署などの公共施設が付近にあるか、というようなインデックスが用意されています。オフィスビルの場合は、また別の指標があります。
前作ではできませんでしたが、そういった環境整備を自社で行い、新興住宅地の開発ができるようになっています。ここが味噌で、スポーツ施設や公共施設など、自社でインフラをある程度用意することで地価を高め、入居者の満足度を高めて、結果的に高い価値を持つ都市を構築することが可能になっています。

これが意外に面白いです。それに、今作ではオフィスビルやアパートは初手向きの資金稼ぎにもってこいです。初手の攻略は(私もへたくそではありますが)後でまとめたいところですが、これもいい初手戦略の一つです(もしかしたらCapitalism2でもそうだったのかもしれません。不徳の致すところで旧作ではやったことのない初手戦略でした)。
いい場所を選んで建設すれば、座してお金がたまる優良な資産となってプレイヤーの頼もしい味方となってくれることは間違いありません。その上がりで、事業を拡張することが容易になります。

・資源の独占が困難になりました

資源と表現しているのは、木材や石炭、アルミニウム等の採掘、伐採などの天然資源のことを指しています。
今作では資源を確保するために膨大な土地代を支出する必要があり、よほど地価が低いところにある優良な資源でもなければまず序盤に所有することは困難です。そして、これは(ほしい資源を自社で買うにはあまりに高すぎる、とった具合で)中盤まで頭を悩ませる要因にもなっていて、ゲームの面白味を高めているという印象です。

それに、資源の独占そのものがゲームシステムによって許されません。
AIを含めたプレイヤによってすべての資源を各社によって占有された場合、直ちに新資源が発見されてしまうシステムになっています。これによって、原材料の品質はランダムなようですが、完全な独占は不可能となっています。

地価が膨大な点もあいまって、資源を独占して他社へ暴利で売りさばく、ということが不可能になっており、逆にプレイヤーにとってAIに独占されて作れない工業製品ができない、というバランスになっています。

・製品が(ある程度)一新されました

大幅に一新されているわけではありませんが、冷凍鶏肉からいきなり缶スープができていた前作と異なり、そこにアルミニウム(普通は鋼鉄じゃねぇの?というツッコミは日本の常識にとらわれすぎであるのかもしれません)が必要となったり、ある程度合理的な改変が加えられています。
また、新製品が結構追加されており、Capitalism2をプレイしまくった方にも新鮮味を加えています。

それに、なによりも面白いのは、時代を経て、最初は携帯、次はカメラ付き携帯、次はスマートフォン、と、時代を経て需要が変化するというシステムが採用されたことです。
古い時代に製品開発に成功してカメラを製造、販売して成功していても、ある時点でデジタルカメラが登場した途端、消費者の興味は一気にデジカメにうつる、というシステムが実装されています。
これは(繰り返しで恐縮ですが)きわめて面白い試みです。Capitalismの名に恥じない面白さに直結する試みだとおもいます。
ノートパソコンは開発成功後絶大な人気を誇りますが、その後タブレットとか出てきて、ある程度人気を奪われますが、ノートパソコンそのものが無価値になる、ということがない、という製品もあります。全く人気がなくなったり(どの製品がそうなるかはプレイしてのお楽しみですので是非やってみてください)、一定の需要があったり、そのあたりの呼吸のバランスが経済ゲーとしてリアリティを生み出しており、面白さにつながっている点には素直にゲームデザイナに感謝したいところです。

ただし!アルミニウムなど採掘、伐採資源を自給するには前述のとおり膨大な初期資金が必要です。
計画的な経営戦略が必要になっている点が、この例でもお分かりいただけると思います。

・広告媒体を自社で設立できるようになりました

Capitalism2では政府所有の新聞社、ラジオ、テレビ局を買収することで自社化できていましたが、今作では、まずAIに先に買われてしまいます。というより、自社よりAIの成長速度が猛烈に早いため、AIに先んじて買うことはまず困難と言っていいでしょう。
そこで、AIに広告料や手数料を支払い続けていなければならないか・・・ということはありません。
今作では広告媒体そのものを設立することが可能となっています。
広告媒体は今作でも相変わらずテレビ、ラジオ、新聞社の3種だけですが(googleなどネット関連企業とかあれば面白かったかもしれませんね)、自社関連企業として設立して、番組の開発費用をかけることで視聴者、聴取者、購読者を広げて広告シェアを伸ばすことできわめて優良な傘下企業として育てることが可能になっています(これも相当儲かる事業となります)。
製造や小売りではAIに負けても(AIはかなり強いです)、メディア部門で独占することは可能です。
メディア王プレイも可能になっていますので、是非このプレイも試していただきたいところです。

・倉庫が実装されました

これは、たとえば革製品を全都市に展開するにあたって1農場では足りない場合、管理するには工場を倉庫代わりにして複数ある各農場から買ってまとめるというようなことをしていた方もいたと思います。それを格安なコストで実現できる機能が実装されたということです。
初期展開に成功した場合、都市数にもよりますが、4都市以上でははっきり言って革製品の場合3農場、4農場は必要です。自動車やコンピュータなどに手を出した場合、鉄鋼などもそうでしょうし、原材料で木材やらコスメ、医薬品などをを扱っている場合には膨大な量のchemical materials(和名なんだっけ?コレ)が必要となります。

特に原材料の場合、意外に早く原材料を出荷する会社(Firm)の採掘は枯渇しがちなので、そこを倉庫にまとめておけば入荷する工場の手間は省け(つまりプレイヤーの再リンク作業が省け)、品質が60だったり90だったり一定しない品質を一定に保てるというメリットもあります。倉庫内で自社ブランドのラベルを張ることもできます、リテール事業縛りをしている場合には有効でしょう。なにせ小売店で自社ブランド化する工程を省けるので、小売りそのものの事業に専念してもらうことが可能になります。コストの分散化、経営分析(どこが金食い虫なのか?という判断など)が切り分けやすくなるというメリットもあります。地味ですが、前作にはない要素ですのでこれは嬉しいところです。

またまたずいぶん長くなってしまいました。
老人は体力がないので、今回はここまでとさせていただき、次回、引き続きご紹介させていただければと思います。

Capitalism Labをやってみた

* 2016/1/27 追記 *
いまさらで恐縮ですが、日本語化作業シートを公開しました。
こちらの記事もご参照ください。

以下の記事は2014/12/30のものです。
* 追記ここまで *

最近、久しぶりにCapitalism2を起動してプレイしてみたら、やっぱり相当面白かったので、以前から気になっていたCapitalism Labを試しに購入してプレイしてみました。
なお、Windows8.1で問題なく動作しています。

あらかじめ触れておきますが、Capitalism LabをプレイするにあたってCapitalism2は購入する必要はありません
日本語版をあらかじめ持っている人にとっては、同じゲームの英語版を買う必要がないので、これはうれしいところです。
公式から購入するときは、わけのわからない抱き合わせのセットしかありませんが、とりあえずCapitalism Labだけなら古いゲームとの3本抱き合わせの$19.99の商品で構いません。
(PayPalで買うときは日本円ではなく米ドルで買うとお安くなります。さらにPayPalからカード会社への請求も米ドルのままで行われるようにしておけば、さらにお安くなります)

とはいえ、Capitalism Labでのプレイ内容はCapitalism2より複雑化しているので、Capitalism2を未プレイな方には、$5を追加してCapitalism2とのセットを購入し、まずCapitalism2のチュートリアルやシナリオをじっくりやりこんでみることをお勧めします。
その後にLabに移ると、より広がる可能性と改善されたUIに、一層感動できるという後ろ向きのメリットもあります。そしてAIがCapitalism2とは比べ物にならない、手ごわいライバルとなっていることにびっくりするでしょう!

プレイした第一印象としては、画面はCapitalism2とほとんど変わらないものの、プレイできる範囲が爆発的に広がっていて、すっかり時間を経つのも忘れてプレイしてしまう、という素晴らしい正当進化を成し遂げているあたり、困った時間泥棒を入手してしまった、といううれしい困惑?を感じます。
Capitalism2みたいなゲームないかなぁ、とずっと思っていたら、その後継版がソレだった、というと変ですが、最近ありがちな「拡張版や続編になるほどつまらなくなる」といったこともなく、より深く味わえる作品に仕上がっている印象です。

Capitalism2には日本語版もかつて販売されていて、探せばかなりプレイに関する情報がありますが、一方Labのほうはほとんど日本語での情報のないゲームなので、日本人には興味を持たれないゲームなのかもしれませんが、現状知る限り、経営系ゲームの最高峰と言っていいのではないかと思います。
(Capitalism2の日本語版は入手不可能ではありませんが、大変なプレミアがついていますし、パッチももはや手に入らないのでお勧めできません。Capitalism Labには日本語版は存在しません)

とりあえず数日プレイしてみた感想を述べてみたいと思います。

まずはゲーム内容の前に、UIなどから触れてみたいと思います。
なお、個人的な感想ですから、以下に触れられていない点も改善点や変更点は数多くある点にはご留意ください。

・UIが改善されました

Capitalism2の後継というだけあって、Capitalism2でのUIの不満な点がかなり解消されていたり、より便利になっています。
製品クラスの一覧があったり、工場や店舗に個人的にわかりやすい識別子をつけられるようになったり、痒い所に手が届く、というと大げさですが、それでもこの改善は地味にありがたいところです。
ただし、原料や商品の入荷の自動再リンクは今作も自社製品を優先してくれないようです。あと、技術開発が完了したときの通知の切方がいまだにわからない。この2点は前作から気になっていた点なのですが・・・私の探し方が悪いのかもしれません。

・簡単に(ある程度)日本語化できるかもしれない

日本語版はないのですが、実は簡単な日本語化の方法が用意されています。
ゲームインストール先のtextというディレクトリ内に4本のファイルがあるのですが、これも同様にインストール先にtranslateというディレクトリがあるので、そこに4本のファイルをコピーし、翻訳して(BOMなしUTF8である必要があります)おくだけで日本語化が一部可能です。
(一部、というのは、翻訳できるファイルに未定義の文章がゲーム上に表示されている場合がありました。これはほかのファイルにあるのかもしれませんが、そのほかのファイルに定義されている文章の場合、たとえばチュートリアルの文章などをtranslateディレクトリに入れてもゲーム表示に反映されないところまでは確認したので、これは今後に期待するしかありません)

以下はオリジナルの画面です。Capitalism2の難易度設定画面に似ている画面ですが、日本語化した場合との比較用に参考にしてください。


上の画面を日本語化すると、下のようになります。
ただし、やってみたものの、付属しているフォントのままだと、あまり具合がよくありません。
(問題点は後述しますがフォントの変更は可能です)
「収」や「産」、「価」というような、よく使われる文字が付属しているフォントに収録されていないようです。


付属のフォントは中国語?には対応しているっぽいので、「産」なら「产」「產」等の文字は収録されているのかもしれませんが・・・ちょっと未検証ですし、そこまでやるなら英語のままでいいという気もします。

そこで、先にふれたように、付属のフォントからMS明朝などに変更できるので、変更すると文字は問題なく表示されます。
フォントの変更方法はインストール先ディレクトリのfont\font.txtを書き換えるだけです。ただし、いろいろなフォントを試してみようと、Windowsのフォントディレクトリへのフルパスで指定してみたところ、フォントがない、と叱られて起動できませんでした。
同一ディレクトリにフォントファイルを保存し、フォントファイル名だけで指定すれば問題はありません。

以下はメイリオでの表示サンプルです。
オリジナルフォントとは違い、正しく文字が表示されています。


しかし、今度は、ログにゴミが出るという問題が起きます。




具体的には、上記の画像は画面下に表示されるニュースですが、上段がオリジナルフォント、下段がメイリオです。下段には豆腐が出てしまっています。何を表示しようとして文字化けしているかまではつかめていませんが、見た目は悪くなってしまいます。

また、英語版の表示幅を超える文字長になるととたんに画面が崩れる、という問題もありました。
たとえば、難易度設定画面のPLAYER PORTRAITを「プレイヤー ポートレート」と訳すと、PLAYERの幅に「プレイヤー」が収まらないので画面が崩れます。「プレイヤ」でも長すぎるので、結局無理に訳すなら「自 肖像」「自 画像」となってしまい、意味がかえって分からなくなってしまうケースもありました。(ホワイトスペースが入っているのは、位置を合わせるために必要でした)

また、一部どうしても1バイト文字が残りますが、和文フォントで1バイト文字や数字をきれいに表示できるフォントが意外に少ない、という点もあります。
ゲームは雰囲気が大事ですから、フォントさがしも日本語化にあたって重要な作業になると思います。

上記のように若干の問題はありますが、少しだけでも日本語化されているだけでも日本人の食いつきが相当変わると思うので、せっかく簡単な多言語化対応の仕組みを擁してあるのだから、ここはうまく利用していきたいところです。

どうしても覚えられない経済学用語や、英語だと気分が出ない単語だけ翻訳しておく、といった使い方だけでもゲーム進行がスムーズになるかもしれませんので、この機能には今後も期待したいところです。

*追記*

本当は現時点で公開前なので上記内容を全面的に書き換えればいいのですが、面倒なので追記として述べます。
フォントを変更してSSをとっているときに、ちょっと気になったので調べたところ、fontディレクトリにあるNotice.htmlファイルを参照すると、オリジナルで用意されているフォントはgoogleが作ったフォントをそのまま採用していることがわかりました。
そのドキュメントの冒頭で"This product uses Noto fonts from Google."とあるので、何だろうと思って検索すると、Webの表示で豆腐を出さないために開発されたフォントだということです。その名もNoto Font。(リンク先は公式サイトですが、Opera12だとハングアップします、注意!!!)
Not Tofu、絶対絡んでますね。面白いネーミングです。

どういう経緯でこのフォントが開発されたかはWikipediaを参照いただくとして、これの日本語版(リンクは日本語版フォント一式に直接リンクされています)があることもわかりました。オリジナルで付属していたnoto.otfフォントを参照してみると"Noto Sans T Chinese Regular"とありましたので、まさしく中国語版だったのですね(カナやかなが収録されているのですね)。

このフォントを利用すれば、よりオリジナルに近いままの1バイト文字と日本語表示が可能になるかもしれない、と思い、実際に試したところ、豆腐も表示されず、1バイト文字もオリジナルと同一という極めて良好な結果を得られました。

ダウンロードされる書庫には太さが違ういくつかのファイルが同梱されていますが、このゲームにはNotoSansCJKjp-Regular.otfが最もお勧めです。以下がそのサンプルとなります。

これで、雰囲気を変えないまま日本語化を存分にできるというものです。
ちょっと気になって調べてみるとまたgoogle様だったというオチまでつきました。

それに、このプロジェクトのフォントを採用しているということは、このCapitalism Labのローカライゼーションへの取り組みが結構本気だと思わざるを得ません。
ちょっと本気になって、全部やってみようかな、と思っているところです。

・画面サイズが選択制になり、全画面ではなくてもプレイ可能となりました

これは地味ながら大変うれしい機能追加と言っていいでしょう。相変わらずゲーム中のズームレベルは3段階しかありませんが、表示範囲が広がるだけで使い勝手は大幅に向上ています。
ウィンドウモードでプレイできるため、小難しい単語や地名などをすぐに翻訳したり、製造に必要な資材を別表にまとめておいて参照しながらできる、というのもありがたいです。
ただし、あくまでも事前にゲーム内で定義されているサイズからの選択制のため、モニタに合わせたサイズでプレイする、ということは残念ながらできません。

・ユーザが作ったMODやスクリプトを利用可能になりました

これはまだ未チェックですが、もしかしたらより一層便利なUIや機能が誰かの手によって作られているかもしれません。
原材料の再リンクに、自社製品で、最も輸送コストが低いところを一括選択できる・・・そんなスクリプトが書けたらいいのですが、まだゲーム自体に忙しくて調査の着手すらできていません。
作成方法も公開されているので、デフォルトのゲームに飽きたところで気が向けばちょっと調べてみたい機能です。
また、この手のゲームはMODで大化けするようなことも多々あるので期待するや大。

ちょっと長くなりすぎてしまったので、続きは別投稿としたいと思います。


2014年12月4日木曜日

ガスファンヒータ、逝く

10年以上使い続けてきた東京ガスブランド(シールをはがせば松下製)のガスファンヒータが、ついにファンが回らなくなってお亡くなりに。

MA-A920FH-WH。もはやマニュアル検索すらできない骨董品です。
まだ手元にマニュアルはあるのでいいんですが。

昨年も、ファンの回転音が、というより、モータの軸受あたりから壮絶な苦悶を漏らしていたのですが、今冬に入る前にチェックしたところ、全く回らなくなっていました。
油をさせば動きそうですが、ガス機器なので自重。資格もないですし。

昔は何だか金があったので東京ガスの言い値で購入してしまった反省から、今回は自前で探そうと思ったのですが、松下ってガス機器から撤退してたんですね。きわめてザンネン。
リピータになり損ねてしまいました。

やむを得ず東京ガスブランド(シールをはがすとリンナイ製)を東京ガス以外から購入しました。
東京ガスから直接買う価格の1/3でした。。。
東京ガスブランドにこだわったわけではなく、単純にその機種が最安値だったからです(同一機種のリンナイブランドよりも)。
流通の不思議ですねえ。型落ちなのか、ガス屋ブランドは価値が低いのか、そこのあたりはものすごくどうでもよかったので調べていません。ごめんなさい。
まあ、何だか知りませんがネット通販で予備知識を…と調べている最中に、安くて送料無料で、しかもその日のうちに届くよ、とか書いてあったのでそのまま買ってしまいました。
(朝10時に頼んで、本当に夜8時ごろ届きました。ヨドバシカメラの通販すげぇ。ガス器具まで扱ってるのかという驚きに加えてタマゲました。自社便ということで、いつ来るか目安もわからないというのは少々困りましたが、これは贅沢すぎる愚痴というものでしょう)

交代選手を購入後、1か月、本日無事に廃棄(扇風機も2つ廃棄・・・安置させすぎ)。
10年以上、毎年本当にご苦労様でした。

ガスファンヒータは立ち上がりの良さと湿度が下がりすぎないため、一度使うと病みつきです。
湿度に関しては、密閉度が高い住宅だと結露するほどだそうです。

LPGをご利用の人は都市ガスの倍くらいガス代がかかるそうで、これもあまりメジャーな暖房器具にならない理由なのかもしれません。

一度温度が安定してしまえばエアコンに切り替えたほうが本来は効率は良いのでしょうが、あまりに利便性が高いので毎冬暖房はガス一択です。
通年、契約アンペア数ギリギリの戦いをしているという事情もありますが・・・月2万円超える電気代はいったい何に吸い込まれているのでしょう(サーバとPCに決まってるわな)

本当は一緒にガス瞬間湯沸かし器も更新したかったのですが、以前と違ってなにやらいろいろ面倒な規制でがんじがらめにされた様子。
そもそも自分で取り付けをすることが許されなくて、有資格者じゃないと設置不可。

あまり使うものでもないし、おまけに自前で買ってきた湯沸かし器の取り付けを断る業者がいたりで、ちょっとガス業界的にあんまりやる気が見られないのでこれは様子見しているところです。

しかしまあ。
季節の変わり目ってのは何かが壊れて何かが新しくなりますねえ。
本当に内容がない、徒然の正しい使い方をした内容をかけて満足です。
苔はえてんだかんね。

2014年12月2日火曜日

高解像度降水ナウキャストがすごすぎる

気象庁が公開している

高解像度降水ナウキャスト

高解像度でナウでキャストなだけあって、とにかくすごい。

・・・の、ですが。

地味に不便な気も。

いえ、データが、じゃないんです。
基礎データはハイレゾであればあるほどいいのですから、とてもうれしい。
しかも、素人でも読み取れる、というより、雨雲がこっちきてんじゃん!なんてのは問答無用でわかりやすい。

この新ナウキャスト表示サイトの何がすごいって、最新のブラウザならこんなのどうってことねえだろ?ってレベルで、あらかじめサーバでどかーんとレーダやアメダス、雲の動き、30分に動く雨雲の予測、雷、竜巻、および元地形、県境、道路、鉄道、あとなんだったかな、それらを全部別画像として用意しておいて、それを各倍率ごとに演算して書いておいて、z方向にブラウザ側で重ねることによって1枚の画像にみせて、さらにそれを256px四方で切り分け、表示領域内にある地域分の枚数を並べることによってブラウザ側で1枚の画像に見せている。
オーソドックスではあるし、可塑性にとんだとてもいいシステムであることは文句のつけようがない。

実際、スマホ(手持ちのxperia)で表示させてみたけど、もっさり感はあるものの、支障なく表示できる程度に能力と表現のバランス、というべきか、つじつまがあっていて、相当予算かかっただろうな、と要らぬ心配をしてしまうほどの出来のよさ。衛星を独自で打ち上げた予算のしわ寄せは来なかったのか、と本当にいらん安心をしてしまうほどの出来。

・・・なんだけど。
やっぱり関東などの大区分である程度で区切ったテンプレート構成もほしかった。

関東地方、中部地方、といった形で一発で参照できる手段がない。
縮尺、画面の中心、表示データ、そういったものを一度ブラウザのクッキーだかなんだかに覚えさせてやらないと、日本中心のアジア地図から選ばなくてはならないのは不便。

率直にいって、気象予報士じゃないんだから、そんな広範なレーダー画像いらないんすわ。

雨雲のトレンドなんて各地方レベルで十分。
端境に住んでる人向け?じゃあそういう端境向けの画像を用意すればいいんじゃないすかね。

そのうえで、さらに自分中心(このシステムでは、スマホなどに搭載されるGPSなどで得られた位置情報から画面の中心を決定できるのです!!)が表示できるモードがある、というほうがわかりやすくてよいのではないかなあ、という気もします。

それと拡大レベルが上がると県境だけでなく市区町村レベルで境が表示されて、レーダー画像の上にその境の線がオーバーレイされるもんだからスゴイ見づらくなる。レーダー画像が見づらい。
おまけにその線のオーバーレイが消せない。
都心なんかだと、そこそこの拡大率でしかないのに市区境界線でせっかくのレーダ画像が悲惨なことに。
オーバーレイの順番も変えられない。地形<行政界<レーダー<雷・雨雲移動予測、であればまだよかったんですが、問答無用で行政界が一番上。

そもそも、ここまでシステムに金かけたんだったら、普通に要素に名前つけといて、getElementsByName()で一括hiddenすりゃいいだけなのに!惜しい。あまりに惜しい。設計時からなら工数100円レベルでしょ。

それとも行政界を表示しなくちゃいけないという国家としての何らかの意思表示なんですかね。
ときどきそういうこともありますからねぇ・・・変なところで融通が利かないというか。
実際のところはどうなのかは関係者でもないのでわかりませんが。

というわけで、お手軽メモ。
(動きを見てればわかることばかりですが。。。)

画像は、スゴイわかりやすく取得することができます。
同一の位置で重ね合わせるべき画像は同一名になっています。つまり、レーダ画像、行政界、レーダー画像、雷、などのデータも同じ矩形内を表現するものならば同一ファイル名で、データ種別ごとに別ディレクトリに分かれています。
同一ファイル名の画像を重ね合わせるだけでいいというわけ。

あと、時々刻々変わるデータはディレクトリ名がタイムスタンプになっていて、これも分けて取得できます。変わらない地形や行政界はタイムスタンプは不要です。

これまでの普通解像度のレーダ画像はファイル名だけだったですから、若干複雑化したとはいえ、かなりブラウザ側から見るとアクセスしやすい構造が構築されています。

あと必要なのはほしい縮尺がどの拡大率なのか、という情報さえわかれば、静的にダウンロードすることが簡単にできます。
それを取得すれば、自前でいまいましい行政界や、レーダ画像の背景色を黒にするなどして、より見やすい画像を整えることができます。

具体的なファイル名命名規則などは気象庁さんに聞いてください。教えてくれるかどうかわかりませんが、これで聞かなければわからないレベルの人はたぶんお仕着せのアプリを使う以外に道はないと思います。
そして、そのお仕着せのアプリは、上でごちゃごちゃ言いましたが、ほんとに力作だと思います。
落札価格いくらだったのかわかりませんが、こういう技術も一般化してきているのでもしかしたら、労力がしこたまかかる割にはたいしてお金にならないのかも・・・web関連のしごとしてなくて本当にヨカッタ、なんてチラリと思ったり。

ちょっととげがあるセリフを書いてしまいましたが、ともかく、このハイレゾ版レーダー画像はとてもいい。
先日濃霧注意報が出たんですが、その濃霧もばっちりレーダに反映されていて、車の運転時に本当に参考になるほどの解像度でした。

ついでに、アメダス10分値のホームページでの公開、まだやらないのかなぁ、なんてちょっと期待もしてみたい。

東南東

東南東、いきなり言われて

ああ、あっちね

って、言えますか?

西北西と北北西と北西は?

なかなか文字だとイメージしづらいですよね。

こういう方位の表し方は4,8,16,32段階が、まあメジャーどころで、さすがに4方位(東西南北)から8方位(北東、などの2方位の組み合わせ)まではすぐわかると思いますが、16方位くらいからよくわからなくなる。

挙句に南西微西(32方位の表現の一つ)なんて、ほんとどっち向いていいのかわからない。

たとえば、データとしてそういう方角が数値や文字で得られたとして、そのまま表示しても自分でわからないから、ぜひ矢印などの画像で図示したい、となるわけです。

そこで、自前で絵を描いておいて方角に合わせて・・・なんてことが、現在ではまるで必要がないことを知りました。
時代はCSSとかいうらしい。

一つ、たとえば北向きの矢印画像を用意しておいて、あとはCSSでもって回転してブラウザ上に表現できてしまうという、あまりにもリッチすぎて鼻血が出そうなことが、もはや当たり前ラシイ。

たとえば、16方位なら360度を16で割って22.5度づつ各方位の差になるわけですから、あとは北から16方位が時計回りになるように並べて、北を0として順番をつけていって、その順番に22.5を掛け算すると度数法による角度が出ます。

その度をそのままCSSで指定してあげるだけで、指定画像(やテキスト)を回転してくれるんです。

北向きの矢印画像があったとして、それをx.pngとします。

すると、南向きに表示させたい場合は

<img src='x.png' style='transform:rotate(180deg)'>

だけで済むという驚き。こりゃあもう三角法使って自前で計算してたのがバカみたいじゃないですか。

進行方向などの場合はそのままでOK,風速の場合は、その方角からくる、という意味ですから、それに180度足して360度との剰余を求めれば風向きアイコンの出来上がり。

いやあ・・・
先日、「使うつもりは失せた」と書いたchromeですが、そのchromeをテストしているうちにこういう知識を身に着けたので、いまも実はちょっとづつ使っています。
しかし、これらは既に結構古いブラウザでもとっくに実装されていた、当たり前な技術なようでして、キャッチアップする以前の問題となっており・・・ウラシマっぷりをまた満喫してしまいました。

canvasとかいうのがjavascriptにあるらしいぞ! 三角法で矢印書くぞ!! とか一瞬げんなりしたのは、ここではあえて申し上げません。。。(頭が固いと自分が知ってる手法が使える方法で実現方法を探すので、こういう迂遠なことになるんでしょうか・・・)

wgetの更新確認処理がとても期待外れな件

wget。
公開データとかを定期的にダウンロードしたりするスクリプトなんかだと、かなり活躍していると思います。

ずっとこれまで、httpの場合、-Nオプションを付ければ IF-MODIFIED-SINCEヘッダをつけてくれているものと勝手に思い込んでいた。

いつも-qオプションつけて運用しているので情けないことに最近気づいたんだけど、最近自分専用のホームページを改装するにあたってwgetを利用するため、-qを付けないでテストししたりするうちに、304なんか見たことがないことに気が付いた。

更新されていないはずなのに必ず200が返ってくる。
それでいて、「サーバより新しいのでダウンロードしませんでした」とか言い出す。

200はそーゆー意味じゃねえだろ?
更新されてなければ304じゃないと意味が通らねえだろ。

と思って、wgetと相手のサーバとの電文を見てみると、ファイル取得要求ぶちかまして200もらってレスポンスヘッダのLast-Modifiedヘッダとファイルのタイムスタンプを比較しているだけだった・・・

つまり、ダウンロードを中断しているだけだった。

うへぇ

ヘッダを追加することはできるので、自分でやれってことかあ。

shじゃ大変だけど、perlとかで書いてる場合は、もしかして自分でhttpしゃべったほうが(If-Last-Modified実装に関しては)早いんじゃないのか、と。

なんだ、結局書かなくちゃいけないのか。

とおもったところ、curl ではそれが可能だということを知りました。

curl の-zオプションではまさにIf-Modified-Sinceをリクエストに入れてくれる、とドキュメントにはあります。

早速実行してみると・・・

> GET *****.html HTTP/1.1
> User-Agent: curl/7.15.5 (x86_64-redhat-linux-gnu) libcurl/7.15.5 OpenSSL/0.9.8b zlib/1.2.3 libidn/0.6.5
> Host: www.********.jp
> Accept: */*
> If-Modified-Since: Mon, 01 Dec 2014 19:57:10 GMT
>
< HTTP/1.1 304 Not Modified
< Accept-Ranges: bytes
< Cache-Control: max-age=300
< Date: Mon, 01 Dec 2014 23:03:23 GMT
< Last-Modified: Mon, 01 Dec 2014 19:57:10 GMT
< Server: *************
< X-Cache: HIT

素晴らしい!

やっぱり気にしている人はいたんですね。
いやあ、またソケットたたいて昔ながらのhttpしゃべらなくて済みます。
というより、外部コマンドを呼び出すコストをかけられないような環境でばかり開発していたもので、こういうリッチに外部コマンドを呼び出して豪快にデータをそろえていくなんていうことはあまりないため、つい全部書いちゃう癖がついていたのですが、このご時世にそれもないよね、とおもって調べてみてヨカッタ。

知る人にとっては常識だったのでしょうが、実にありがたい思いです。
今後、ぜひ活用していきたいと思います。